アンテナ

「グローバル社会では世界で起こることに目を向けなければならない」

そんなことを耳にすることも多いと思う。そして今はテレビ、インターネット、SNS、色々なところで世界の情報を手に入れることができる。しかし、自分と関係する何かのアンテナが無ければ、手に入れた情報を心に残すことが難しいのではないだろうか。

ウクライナで戦争が始まるかもというニュースが流れていた時に、シリア人のクラスメイトを思い出した。授業の途中にそのニュースに気付いた彼は、もうシリアに帰れなくなるかもと言って翌日アメリカから慌てて帰っていった。

戦争映像の捏造があったという記事を読むと、イラク戦争中にイラクにいたという中東の代理店マネージャーが言っていた「イラクにミサイルが撃ち込まれているというニュースを当時見て驚いた。その日はとても平和な一日で何も起きていなかった。情報操作は恐ろしい。」という言葉を思い出す。

ウクライナの戦争で、子どもとお別れする父の姿を見ると父親としてとても悲しい気持ちになる。ウクライナの鉄道を走らせ続けるために、留学していた大学のOBが奮闘しているという記事や、同じくOBのウクライナ人が、「ヘルメットや防具が足りない」と言って、寄付を募っているのを見て胸が苦しくなる。

ロシアが悪いと色々なところで目にし、ロシア料理店に嫌がらせを起きているのを知ると、空手をやっていて、とても優しく男前だったロシア人の同級生がどんな気持ちでいるのか考えてしまう。いくら国が悪いことをしていても、ロシアの人たち全てが悪い様な気持ちにはどうしてもなれない。

色々な部分にアンテナがあれば、そのアンテナを通しながら、物事を考えることができるのではと思う。子どもたちにもたくさんアンテナを立てて、色々な視点から物事を見れるようになって欲しい。