2023年9月4日
買い物に行った時に、どこのレジにするのか悩む。「こっちの方が、並んでる人が少ない!」と思ってそちらに並び変えると、前の人のカゴに目一杯の商品で結局最初に並んでいたレジの方が早い。最初のレジに戻る方が良いのだが、悔しい気がしてそのまま並ぶ。
そんな時に、「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」という言葉を思い出す。超音速旅客機コンコルドが赤字確実にもかかわらず、それまでの投資を取り戻すために投資を続けてしまい巨額の損失を出してしまったことを指し、「サンクコスト(埋没費用)」という用語を説明する時に使われる。
「サンクコスト」とは、既に投資した時間、労力、お金など、取り戻すことができない費用だ。既に取り戻せないのでこの費用は考えない方が良いのだが、意識しないでいるとサンクコストを取り戻そうとして合理的な判断をさまたげてしまう。投資判断の時にビジネスで使われる考え方だが、子どもたちの生活にもサンクコストの影響は見られる。
「せっかくここまでやったんだし、たくさん時間もお金もかけたからやめられない」
習い事や受験などで耳にする言葉ではないだろうか。「やめる」ということは、「違う投資」ができる機会を生み出すことだ。これまでの「投資」ではなく、子どもたちの「成長」のために、どんな機会を生み出せるかを常に意識していたいと思う。