auじぶん銀行の小学生の子どもを持つ親への調査で、「約7割の親が子どもの頃、金融教育を受けたかった」との結果が出ていた。学習指導要領では、金融教育が体系的に習得されるように定められ、既に2020年には小学校で、2021年には中学校、そして2022年には高校で開始されていることも、金融教育への関心の高まりに影響をあたえているようだ。
現代を生きるのに、ほとんどの人にとってお金は必要なものになっている。お金を「稼ぐ」「使う」「貯める」。子ども達にとってもお小遣いを使ったり、習い事に行ったりする分かりやすい使い方だけでなく、生活するだけでどこかでお金が動いてる。小学生からでも少しずつ「お金」について考えていくことが必要だろう。
大学では経済学部で、社会人になってからはモノを売る営業職、お金とは関わりが深い方だと思っていた。しかし、アメリカでMBAを取得する時に授業で習う内容や、色々な国の中央銀行で働いていたクラスメイトと行うグループプロジェクトでは、自分の金融に関する知識の無さにがっかりしたこともあった。会社に戻り、色々な国で事業を行う中で、営業時代にはあまり気にすることの無かった、モノの値段の決め方、為替、会計、投資判断など、MBAで理論は学んだが実践する機会が無かったことも手探りで、毎回わからない部分でつまずきながら、少しずつお金に関する理解を深めていけたように思える。
お金という金額だけ見れば一見単純なものも、分解していくと奥深く、学びが終わることは無いように思える。算数のように、足し算から真っすぐ順序良く登っていく階段でなく、らせん階段の様に、似たような場所をグルグルと回りながら少しずつ理解を深めていくものじゃないかなと考えている。
今回のサマースクールのプログラム「お金とつながる」でも、小学生がする約束からお金にどうつながるかを考えたり、お年玉の使い方から消費、貯金、投資に触れたり、小学生が買っている物から価格がどう決まるか、好きなYouTuberやスポーツ選手、アイドルがどうしてあれだけ稼ぐことができるかを「人を喜ばせる」という視点から考えてみたりしようと考えている。
子どもたちがこれまで意識していなかった部分に気付いてもらって、普段の生活でも意識するようになる、気になることが出てきたら、また考えたり、調べたりする。お金に関することだけでなく、色々なことに活かせるそんなサイクルを作れる機会にしていきたい。