世界とつながるこども秘密基地
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誰が何を求めているか

何度か紹介している「運動指導を行う幼稚園の園児の方が、運動指導をしない園の園児より、運動能力が低い」という調査。実際に保育園に行って、サッカーの指導をしてみたら「そうなるよなぁ」とうなずくことになった。

指導者からすると、外部講師として入ってきているので園に対しても、保護者に対しても、「良い体験を提供してくれている」と思ってもらう必要がある。そうなると、子どもたちがそれぞれの興味に従って、ボールをキックしたい子はキックし、ドリブルをしたい子はドリブルをするといったように自由にサッカーを通じて、それぞれが目一杯活動するというよりは、「整列をして、指導者の言う通りに動いてもらう」、「何か特定の技術を教える」という目に見える「成果」のようなものに重心が傾く。

園としても、外部講師が来てくれているし、保護者にも課外活動費として追加で月謝をもらっているので、活動に積極的に参加していない様子だったら、「やらせないと」という義務感も加わって、外部講師の言うことを聞くように働きかける。講師とコミュニケーションを取ろうとして、子どもたちが講師にちょっかいを出すと「まずいな」と思って止める。

こうなると、整列をして、順番が来るまで待って、活動量が減る。ボールがあったら触ったり、蹴ったりしたいけど、それをしないように指導されてしまうからボールに触る回数も、試行錯誤する回数も減る。運動指導をしないで見守る方が、結果的に運動能力が伸びるというのが良く理解できる。保護者、指導者、園が求めているものはある程度満たされるが、子どもが求めていることはどうなんだろうと思ってしまう。

これは運動だけではなく、様々な習い事に共通してしまうのではないかと思う。面白そうだなと思って始めるが、指導する側は、何か成果を出すために、子どもの興味よりも、プログラムを規定通り進め、何らかの成果を出すことを求める。そうすると、子どもたちが「面白そう」と思って、色々と手を出す機会が反対に減ってしまい、結果的に取り組む時間は減ってしまう。

何か成果を出すことを重視して結果的に取り組む時間を減らすような指導をするよりも、子どもたちが、没頭できるように、子どもが見えていないその世界の広さ、面白さを伝え、教えていないことでも勝手に学んでいくような取り組みをしたいと改めて感じた。

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