コントロールできるのは何か？

ある映画でインドの最高級ホテルがVIPを迎える時の様子が描かれていた。最終準備に現場は追われている。支配人はお風呂の温度からVIPの赤ちゃんの洋服まで入念にチェックする。支配人が赤ちゃんの洋服がピンクなのに気付き、スタッフに尋ねる。「赤ちゃんの性別は？」ある男性スタッフは「男の子」、女性スタッフは「女の子」と伝える。
これが日本だったらと想像すると、「なぜちゃんと確認しない！すぐ確認しろ！」となりそうだが、支配人の返答は「どちらも用意しておけ！」だけ。

この姿を見て、「おお！」ととても感心した。僕はインドのお隣バングラデシュで仕事をしたこともあるし、アジアの色々な国で仕事をした。こういうことが良く起きるのだ。そして大抵問い詰めても生産的な時間にはならない。
それよりも、「自分がコントロールできる範囲で何ができるか」を考える方が大切だということを実感した。この支配人のように、すぐ自分ができる「男の子でも女の子でも対応できるようにする」ということが大切なのだ。

自分の子どもや家族など、特に身近にいる周りの人はコントロールできるように思えるが、ほとんどの場合、人は思い通りにはならないし、自分がコントロールできる範囲は限られている。家族でもそんな状況なのだから、他人はもっとだ。自分がコントロールできることに目を向けて、自分の人生を少しでも良いものにできる習慣を身に付けられるようにサポートしていきたい。