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I Have a Dream

「なぜ、できる人の机は汚いのか?」という帯に興味を持ち、『ひらめきを生み出すカオスの法則』という本を読んだ。その中の「アドリブを取り入れる」という章で取り上げられていたのが、有名なキング牧師の演説だった。聴衆の反応を聴き、原稿を捨てて、即興で語った演説が、歴史に残るものとなったということで、即興の大切さを語るものだった。

この部分を読んだ時に、元バルセロナ、世界でも有数のサッカー選手である、ヴィッセル神戸のイニエスタ選手と中村憲剛さんの対談を思い出した。「どんな選択肢を持ってプレーしていたか?」という中村さんの質問に対して、イニエスタ選手は「考えずに身体が自然に動く。考えるといいプレーができません。」と答えていた。

キング牧師もイニエスタ選手も、「天才だから」と言ってしまえば簡単なのだが、サッカーをやっていた自分からすると、日本人選手が誰も真似できないような素晴らしいプレーをするイニエスタ選手がどう育ったか、子どもの頃は何を考えてプレーしていたかを知りたいなぁと思う。

キング牧師に関しては、なぜ素晴らしい演説が即興でできたかを考えさせるストーリーが同じ本に載っていた。キング牧師は5歳には聖書の一説を暗誦し、両親には「大きくなったら偉大な言葉を話す人になりたい」と言った。14歳には「黒人と憲法」という題目で弁論大会で優勝するが、その帰り道に決して忘れられない差別を受ける。毎朝5時半に起きて、3時間説教の練習をし、毎週日曜日の説教のために毎回15時間をかけ、プラトン、フロイト、ガンジーなど古今東西の書物から着想を得て、原稿を練り上げたそうだ。このストーリーを知ると、「即興」スピーチとは大分イメージが離れるのではないだろうか。

積み重ねたものから生まれる即興は力を持つ気がするが、イニエスタ選手の場合はどうだったんだろう。世界のトップレベルで活躍していたのだから、普通のプレーヤーでは経験できない「積み重ね」があり、高い壁もあったんだろうとは思うが、それも「考えずに」飛び越えてきたのだろうか。もし尋ねる機会があれば質問してみたい。

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