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反省

「反省させると犯罪者になる」

驚く言葉だが、長年殺人などの重大な犯罪を起こした受刑者の更生を支援してきた臨床教育学者岡本茂樹氏の言葉だ。反省させるだけだと本人が、なぜ問題を起こしたのか自分の内面の深い場所にある本当の問題に向き合わないからだと語る。

『怒り』という投稿でも書いたが、マーケティングでインタビューを行っても本当の気持ちはすぐに出てこない。その行動をなぜしてしまったかは、自分のことでもすぐには理解できない。反省文に代表される一般的な反省は、外部に向かって発信される言葉で、内面深くは語られない。友達を叩いてしまった子どもが、大人に「ごめんね」と言わされている行為が子どもにとって本当の解決になっていないのと構造は同じだろう。

大人が子どもを叱るのも、根本的な解決には至らないのではと思うようになったのもここでいう「反省」と似た理由だと感じる。生理学で動物が強いストレスを受けた時に起こる反応として「戦うか逃げるか反応」というものがある。叱られた時に感じる強いストレスは、「言い訳をしたり、言い返したりする」という戦う反応か、「その場から逃げ出したり、泣いたりする」回避行動に表れる。これは、瞬間的な反応で、自分の内面に向き合う暇など無いだろう。

そう考えると、子どもの成長に良い影響を与えるのは、叱責したり、「表面的に外に向かって」反省させることではなく、なぜその問題や課題が起きたか「内面に向かわせる」ための問いかけの方が重要なのかなと思う。『教えるのか問うのか』と似た結論だが、子どもたち自身の内側でしっかりと成長につながるようにアプローチの仕方も常に考えていきたい。

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